未曽有の大震災に見舞われ、日本人は肩を落とした。政治や経済でも、かつてのような自信を失い、進むべき道を見失っているかのようだ。この国の未来が問われる時代だからこそ、過去にさかのぼってみる。日本人は何者なのか?
[Part1] FRANCE/バブルがはじけた? フランス語版マンガの大手カナ社は、ブリュッセルのミディ駅近くにあった。 ベルギーはバンドデシネ(BD)と呼ばれる仏語圏独特の大判コミックスの出版が盛ん。一番有名なキャラクターは、愛犬と世界中で冒険を繰り広げる少年新聞記者のタンタンだろう。街中のそこかしこに描かれていた。 けれど、カナ社の応接スペースで迎えてくれたのは、ドラえもんの飾りが無数に下がるクリスマスツリー。それに陳列棚の上に並んだ新刊の仏語訳日本マンガ。 おおっ。その一癖あるラインアップに思わず目を奪われた。 右端に松本大洋「竹光侍」3巻目。山田貴敏「Dr.コトー診療所」18巻、神尾葉子「キャットストリート」3巻、枢やな「黒執事」1巻と続き、「闇金ウシジマくん」「さらい屋五葉」「バクマン。」などを経て、昭和の絵師、上村一夫の「凍鶴(いてづる)」で終わっている。 カナ社は、海外で最も
[第21回] 「群衆」の出資で取材。米国発の新たな記事づくり 中井大助 Daisuke Nakai 社会グループ記者 2009年11月9日のニューヨーク・タイムズ紙に興味深い記事が載った。「太平洋の巨大なゴミたまり場」。ハワイの北西1600キロの海上に、海流の関係でプラスチックや電球、瓶のふたなどおびただしいゴミが集まっている。その現場を、フリー記者のリンゼー・ホーシャがルポしたものだ。 本文を読み終えると、末尾に見慣れない「おことわり」があった。 興味のあるテーマがあれば「Fund Story」をクリックして出資する。最新の合計額や目標額との差額も表示されている。=Spot.usのウェブサイトから 「取材にかかった費用の一部は、フリーランス記者を支援する非営利ウェブサイト『Spot.us』の読者によって支払われました」 いったい、どういうことか? ホーシャがニューヨーク・タイムズ紙に企画
[第21回] ブッカー賞とロンドンを舞台にした2作 園部哲 Satoshi Sonobe ロンドン在住ライター・翻訳者 今年のブッカー賞はヒラリー・マンテルの『Wolf Hall』に決まった。7月末発表の12候補が6候補に絞られるのが9月の頭。その頃から読書家のみならず、町のあちこちの賭け屋が受賞作を予想する。今回は一番人気がそのまますんなり受賞という、近年では珍しい結果となった。 さて受賞作の『Wolf Hall』。登場人物リストだけで5ページもある大長編。その分厚さのせいで、すでにドアストッパーになぞらえられることもしばしば。 舞台はテューダー朝。かのヘンリー8世が兄嫁キャサリンと結婚したものの男児にめぐまれず離婚を企て、アン・ブリンをめとろうとしている。 ただし本書は6人の王妃をめぐる話ではなく、王の側近トマス・クロムウェルの物語である。彼は清教徒革命のオリバー・クロムウェルの大叔父
[第10回] 権力を監視するジャーナリズムの危機を権力が心配 奥山 俊宏 Toshihiro Okuyama 朝日新聞記者(東京本社編集局) オバマ大統領がジャーナリズムの危機を嘆いている。 「ニュースと情報への需要は高まっているのに、逆に、取材・報道の現場は閉鎖されつつある。そして、その穴を、ハードなニュースや調査報道ではなく、即席の評論や著名人のゴシップ、ソフトな物語で埋めている」 アメリカのジャーナリズムはかつて、ホワイトハウスの犯罪を暴き、ニクソン大統領を辞任に追い込んだ。権力監視の調査報道は今後も命脈を保てるか。photo:AP 9月9日、CBSテレビの看板番組「イブニング・ニュース」でキャスターを務め、「アメリカで最も信頼される男」との評を得たこともある故ウォルター・クロンカイト記者の追悼式であいさつしたときの言葉だ。 ホワイトハウス担当記者協会の夕食会でも5月9日、大統領は「
オリンピックの季節がやってきます。自国選手のプレーに、人々は一喜一憂します。メダルの数が「国力」を表すかのように。でも、先進国では少子化が進んでいます。現役や未来のアスリート世代が減っていけば、どうなるのでしょう。パリ五輪を前に、スポーツとの向き合い方を考えました。
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