これまでに数々の間取りを作図してきた影山さんだが、作図しやすい間取りは、ずばり「家族仲のよい家」だという。 「特に、母親の存在が大きいと、生活シーンが多く出てくるし、移動のシーンも多いので描きやすいのです」 だから、と影山さんはつけ加えた。 「『デスノート』の間取りは絶対に描けません。主人公の少年の部屋は細かく描写されているものの、他の家族や部屋がほとんど出てこないためです。描いてほしいとリクエストを受けましたが結局、あきらめました」 漫画やアニメの間取りを通して、現代ニッポンの家族の風景までもが見えてくる。 テレビアニメ「母をたずねて三千里」をめぐっては、別の用事でパリを訪れた際にイタリアまで足を伸ばし、「マルコの家」を探しに行った。 「第1回目の放送で、マルコが学校から帰ってきて、馬小屋のじいちゃんに挨拶して階段を上がっていくシーンがある。一瞬ですが、水を汲んだバケツを運んでいる。この