まなざしの地獄 作者: 見田宗介出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2008/11/07メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 7人 クリック: 45回この商品を含むブログ (48件) を見る 河出書房新社から出た本が、平積みにされているのを久しぶりに見た気がする。「解説 大澤真幸」*1の効果だろうか。 かねてから、大澤さんが少年犯罪を分析する際に参照しているので、見田さんのこの文章の概要は知っていた。しかし、改めて読み、初出が1973年でありながら、多くの発見があることに驚いた。 「まなざしの地獄」では、1968年から1969年にかけて無差別殺人を犯した19歳の青年N・Nが主な分析対象とされている。N・Nは高度成長期に、地方から東京へと上京した典型的な若者であったはずだ。N・Nらの若者は、「素朴でよく働く田舎の青年」として社会的期待かけられ、集団就職の口が用意される。彼らもまた、