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ブックマーク / blog.livedoor.jp/iseda503 (3)

  • Daily Life:『はじめての動物倫理学』読書ノート

    September 06, 2021 『はじめての動物倫理学』読書ノート 田上孝一さんの『はじめての動物倫理学』は、動物倫理の分野を概説するおそらく最初の新書であり、この分野の存在を多くの人に知らしめたという意味で、大変画期的なだと思う。 以下では主にわたしが同意できない点や疑問に思う点を中心に記述していくが、その前に書の良いところをいくつかあげておこう。 まず、全体として非常に読みやすい。ときどき「広く観念されている」(p.107)といった耳慣れない表現が出てきたりするものの、全般に難解な表現は極力避けられている。また、いろいろ留保をつけずに言い切る形で論述されているところが多いのも、立場が鮮明であるという意味で書の美点である。動物の権利論がいろいろな問題をどうとらえるかについて、田上さんなりの一貫した視点を提供しているのも書のよいところである。 第一章の倫理学理論の整理はスタン

  • Daily Life:『哲学入門』(2)

    April 26, 2014 『哲学入門』(2) 前項 http://blog.livedoor.jp/iseda503/archives/1805752.html のつづき。 第四章 第四章は、このの中で一番、何をめざして何が行われているのかがよくわからない章だった。第三章の最後のところ(p.190)で、第四章の作業は「心も表象も意味もない世界を前提して、そこに表象がどんな風に湧いて出てくるのかのシナリオを描く作業」だとまとめられている。しかし第四章がどういう意味で「どんな風に湧いて出てくるのか」についての議論なのか。これをもう少し言い換えて、p.199では「志向性モドキから正真正銘の志向性を持った私たちの表象(志向的表象)がどのようにして出現したのか、あるいは出現できるのかを考える」というのがこの章の仕事だという。「どのようにして出現したか」と「どのように出現できるか」は全然違う問い

  • Daily Life:『哲学入門』(1)

    April 26, 2014 『哲学入門』(1) 哲学入門 (ちくま新書) [新書]戸田山 和久筑摩書房2014-03-05 戸田山和久『哲学入門』。いただいてから読み終わるのにずいぶん時間がかかってしまった。 すでに多くの人が指摘していることだが、『哲学入門』というタイトルではあるものの、一般に言われるところの哲学の全体像をつかみたいという人が読むように書かれたではない。しかし、戸田山さんが哲学だと思うものの全体像をできるだけまんべんなく描き出そうとしているという意味では、まさに戸田山さんによる「哲学入門」以外のなにものでもないという言い方もできる。 書は哲学があつかってきたもの、その中でもとりわけ自然科学にのりそうにない「意味」とか「目的」とか「自由」とかを自然科学の枠組みの中におき直そうという試みで、『自然主義哲学入門』とでも呼ぶべきである。もう少し正確に言うなら、『認知科学に

    Daily Life:『哲学入門』(1)
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