マルサスの「人口論」によれば、人口は幾何級数的に自然増加するけど、生活手段は算術級数でしか増加しないから、過剰人口による貧困の増大は避けられない、そうです。 その唯一の方策として、マルサスが提示したのは、産児制限、つまり少子化です。 労働者の頭数を減らすことにより、労働市場を常に売り手市場にし、労賃の下落を防げということでしょう。 日本の少子化が、日本人の総体意識としてマルサスの人口論を意識しているわけはないのですが、マルサスが正しければ、少子化は格差社会が問題となっている日本にとっても、そう悪いことではなさそうです。 しかし、労働市場が売り手市場になれば、会社を経営している人たちは、労賃が騰貴して困ったことになります。少子化は結局、経済の活性化やイノベーションを阻害し、日本は三流国に転落してしまうのでしょうか。 「給料は利益の分配」と言う経営者がよくいるのですが、これはあらゆる立場