タグ

ブックマーク / www.physiol.m.u-tokyo.ac.jp (2)

  • イメージを創る力

    ヒトは、実在しないものであろうと遠く離れた所のものであろうとを問わず、あたかも目の前に在るかのごとく想像する力、つまり「イメージを創る能力」を備えています。古来、多くの哲学者がこの能力に興味を持ちました。ジャン・ポール・サルトルは「想像力の問題」という著書の中で、「パンテオンのイメージを創ってごらん。その柱の数を数えられるかい?」という問いを出して、イメージと実際の視覚との差を論じています (図1)。 図1: イメージを創る能力は我々の脳のどのようなしくみによって実現されているのでしょうか? そのしくみは実在するものを見る通常の視覚と何が違うのでしょうか?サルトルは「想像力の問題」の中で、「パンテオンのイメージを創ってごらん。その柱の数を数えられるかい?」との問いを出しました(文参照)。 ご存知の通り、パンテオンはパリにあるギリシャ風の神殿ですが、柱の数が多いのとその配置が入り組んで

  • 認知記憶の大脳メカニズム -イメージと想像力の起源 -

    今回受賞の対象になりました「認知記憶の大脳メカニズム」の研究に関して、その背景と研究の現状、並びに将来の展望についてご紹介させていただきたいと存じます。 私の研究は「記憶について」の研究です。記憶というのは頭のなかにしまっておくものと思われがちですが、しまっておくだけでは意味がありません。しまっておいた記憶をどのように引き出して使うかが肝心です。記憶を引き出す、つまり思い出すことは、実は記憶を造ること、覚えることと表裏一体です。しかし、脳のメカニズムという点では区別して考えることができますので、記憶をつくるメカニズムについては明日のシンポジウムでお話することにして、日は主に「どうやって記憶を思い出すのか」ということについてお話させていただきたいと思います。 想像力の起源 問題の切り口は次のようになります。実際に眼の前にあるものを見るときと、眼の前にないものを想像する、イメージする――こ

  • 1