「エルバーフェルト日記」http://elberfeld1979.spaces.live.com/default.aspxのヴッパータール人さんから、マティアス・マルティネス/ミヒャエル・シェッフェル『物語の森へ――物語理論入門』(林捷、末長豊、生野芳徳訳)、法政大学出版局、2006(原著1999)をご恵投いただきました*1。 ありがとうございます。 一読してびっくりしましたが、これは非常に手堅く、まっとうなナラトロジー(物語論)の入門書でした*2。 『ヴェニスに死す』などのよく知られたドイツ文学を例に出すことで、それらがどのような「語り」から成り立っているのかを詳らかに解説してくれます。 序文から、本書の性質を紹介している箇所を引用してみましょう。 本書の構成は体系的である。物語理論の他の概説書と異なり、物語の「いかに」とともに「何を」を包括している。さまざまな時代の作品と文献から多くの