彼らは自由だと思っていた―元ナチ党員十人の思想と行動 作者: ミルトン・マイヤー,田中浩,金井和子出版社/メーカー: 未来社発売日: 1983/01/01メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る60年前の本ながら、読み進めるうちに自分の置かれつつある状況が空恐ろしくなってきます。 ドイツ系アメリカ人の新聞記者である著者が、第二次世界大戦後にドイツの小さな町・クローネンベルクに1年住み、当時ナチ党員だった市井の人10人にインタビューを重ねることでナチズムの内在的理解を目指した本です。といっても、彼自身がユダヤ人である*1という極めて「微妙な」事情も絡み、やはり全体的には視線というか立脚点のブレは否めません。また、主に第2部「ドイツ人」では、民族性論の危険性を叫びながら自ら民族性論を展開*2したりしており、60年前におけるジャーナリスティックな時評たる第3部と合わせて、読み飛ば