もはや新聞は紙面の「場所貸し産業」になってしまうのではないか。そんな危惧をますます覚えた。 米国では既存メディアが体力を失い、記者の失業も増えるにつれ、篤志家の寄付で記者を雇う調査報道NPO(非営利組織)が台頭している。米CBSテレビの看板報道番組「60ミニッツ」の元プロデューサー、チャールズ・ルイス氏はその先駆け的な「センター・フォー・パブリック・インテグリティ」(CPI)を98年に創設。アメリカン大で調査報道ワークショップも率いる。 CPIは約40人のスタッフを擁して計400本以上の調査報道を打ち出し、ベストセラー「大統領を買う」など書籍も17冊出版。財団を中心に資金を集め、年間460万ドルの予算で運営している。スカウトした記者の給料は「元いた会社より上がった人がほとんど」だとか。欧州や豪州でも同様のNPOが生まれている。 新興NPOにとって、耳目を集めやすい既存メディアの紙面や番組は