「はりぼて」に支配された国/調査報道×コメディーで描く政治・市民・メディアの正体 8.16公開!富山市議会の不正を暴いたドキュメンタリー映画監督の秘めた思い 五百旗頭幸男 ドキュメンタリー映画監督 先日、メディア各社の取材を受けていた際、ある女性ライターがつぶやいた一言がひっかかっている。 「記者会見って事前に質問を渡しておいて、台本を読み上げるのが普通なのに、この映画の会見はすべてガチンコだから驚きました」 絶句した。 記者会見は本来、記者が取材対象者と向き合う真剣勝負の場だ。ガチンコが普通で、質問者と答弁者に台本がある方が異常だ。すぐに「認識が間違っている」と伝えた。 彼女は安倍首相や菅官房長官の記者会見を想起したそうだ。異常な状況に長く慣らされると、市民の中で異常が正常へと変わっていく。しかも、無自覚なままに…… その怖さを、温和なライターの何気ない一言によって突き付けられた。 富山