東京23区の5倍ほど、面積3000平方キロにおよぶ巨大湖の水が消えてなくなった。 ここは、かつて南米ボリビアで2番目の広さを誇ったポーポ湖。ボートのそばには黒いゴム長靴が転がり、真っ白になった魚の頭骨には、照りつける太陽の光が反射している。水が生命の源なら、ここは水も生命もない死の世界だ。 アンデスの高地から巨大な湖が消えたのはなぜか。 発熱する湖 ボリビアのアルティプラノは、アンデス山脈を構成する2本の山脈に挟まれた高原地帯だ。高原の北端近くには、海抜3810メートルの地点にペルーとボリビアの国境にまたがってティティカカ湖が広がる。一方、南端には世界最大の塩湖、ウユニ塩湖があり、ポーポ湖はこの二つの湖の間に位置している。 ポーポ湖と運命をともにしているのが、「水の民」とも呼ばれる先住民ウルの人々。近年は湖が縮小して魚が減り、漁をするにも湖の中央部まで出なくてはならない状態だった。2014