人が、人生で一番長く見る顔は、誰の顔だろうか? 自分の顔だろうか? 親の顔だろうか? 伴侶の顔だろうか? 子供の顔だろうか? 惚れたスターの顔だろうか? 鏡に映る自分の顔は、左右反転している。 それは、本当の私の顔だろうか? 写真で映した自分の顔は左右反転していない。 だが、静止している。 映像で撮った顔はどうだろうか? たぶん、もっとも見慣れた自分の顔は、鏡の中の自分である。 (自分の顔を映像で見る機会が多い仕事の人は、また違うのか?) ということは、他人が観ているであろう自分の顔とは違う顔を自分は一番見慣れている。 録音した自分の声に聞き覚えがなく、違和感を覚える。 映像で自分の顔を見る時に感じる違和感は、それに近いものなのだろうか? 幻肢痛というものがある。 腕を切断した人がないはずの手が痛むと言う症状だ。 だが、脳自体には痛覚はないので、存在しない部位の痛みはないはずなのである。
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