神戸連続児童殺傷事件の犯人である元少年Aが手記『絶歌』(太田出版)を発売したことで、今問題視されているのが、犯罪者が自らの罪を商業的に利用していることだ。 現在の日本の法律では、多額の印税収入を元少年Aが得ることになる。版元は印税について、こう答えている。 「通常の出版物なので今後、著者である彼に印税は支払う。それをどうするかは本人次第で、当社が口を出すことではない。だが、遺族のかたに経済的にも一生責任を負っていきたいと本人が思っていることは確かだ」 世界に目を向けると、犯罪の商業利用を規制する法律がある。米国では1970年代以降、凶悪犯が自らの事件の内幕を出版したり、映画化の権利を売るなどして多額の利益を得るケースが相次いだ。 有名なのが、ニューヨークで若い女性やカップル計6人を射殺、すべての現場に「サムの息子」という署名を残した猟奇的殺人犯・デビッド・バーコウィッツの独占手記を手にする
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