2013年度、東海大学大学院の近代環境史の中で、イギリスをテーマにした講義を行った。これまでも、日本の近代環境史を担当してきたが、今年度から、それとあわせて、イギリスも担当することになった。日本とイギリスの各々の歴史を取り上げた後、それらを比較することで、近代環境史の本質的な意味や国状による違いを明らかにするものだ。 イギリスの近代環境史の中で、注目すべき点を示し、今年度の講義の振り返りとしておく。不勉強な点が多いが、今後、さらに充実させたい。 1.産業革命は、18世紀後半のイギリスで発生したとされるが、なぜ、イギリスだったのか。 2つの側面を苦強調しすることができる。 1つは、産業革命が、商業革命や農業革命による資本力の蓄積を基盤としている点である。イギリスは16世紀までは後進国であったが、17世紀により商業(貿易)と農業が発展してきた。これらの富の蓄積は、植民地支配という陰の部分を持つ