「ネコ預かることになったから!」 同居人は、会社から帰ってくるなり興奮ぎみで言った。秋のはじめに汗だくだった。前歯に「号外」と書いてある気がした。 詳細をきいた。ネコの保護活動をしている友人に頼まれたらしい。その友人が生後三ヶ月の子ネコを保護した。飼い主が見つかるまで預かりたいが、すでに飼いネコと預かりネコをあわせて十匹以上が家にいる。さすがに夫から不満も出ている。それで同居人に話がきたという。 「来週、くるから、よろしく」 同居人は言った。名前は「天ぷらちゃん」というらしい(なんて名前だ)。 「飼う」ではなく「預かる」。これは心理的に妙なものだった。飼い主が决まるまでだから、それが数週間なのか、数ヶ月か、一年以上なのかは分からない。飼いネコではないが、しばらく家にいる。別れると知りながら付き合うような感覚になるんだろうか。 われわれはまだ見ぬ天ぷらちゃんについて話し合った。この家のことを
近所にセブンイレブンができた。 といっても、家からは微妙に離れており、最寄りのコンビニではない。それでも生活圏ではあるから、オープニングセールに行ってみたんだが、これが予想以上に大きい店舗だった。たまに郊外で見かける駐車場が異常に広いコンビニ、と言えば伝わるだろうか。 だから品揃えも充実しており、もともとセブンイレブンは自社ブランドに力をいれていることもあって、私のなかに突発的なセブンイレブンブームが生じた。色々と商品を買ってみては、これはうまい、あれもうまいと考えている。 だが先述したように、最寄りのコンビニではない。歩いて十分ほどかかる。たとえば深夜三時に小腹がすいて、ジャージのままパッと行くには遠い。しかも歩いて二分のところにはファミリーマートがある。だからそちらで済ませる。 しかし今日気がついたのは、私はファミリーマートの店内をうろつきながらも、セブンイレブンのことを考えてしまって
スラムダンクの深津をほめるおじさんについて書きたい。 そのためには、まずスラムダンクの説明をしなければいけないが、これはまあいいだろう。九十年代を代表するバスケ漫画である。読んだことのない人も題名くらいは知っていると思います。 次に深津である。これは少し説明が必要かもしれない。湘北高校が物語の最後で対戦する相手、山王工業のキャプテンだ。 深津は作中で一度も笑顔を見せない。徹底的にクールなキャラクターとして描かれている。ちなみに語尾は「ピョン」。このへんは作者のバランス感覚だろう。どこかに隙を作らないと怖すぎると思ったのではないか。 これくらいで準備はいいだろう。ということで、今回の主題である「スラムダンクの深津をほめるおじさん」の話だ。これは作中に少しだけ登場するキャラクターなのである。画像を引用しておこう。完全版20巻52ページ。 「深津だ。いつも黒子役に徹する深津のパスがあっての山王工
2015-07-05 あまりにも惜しいスーパーの店員 上田の日常 近所のスーパーに新しく若い男の店員が入ってきたんだが、この店員の接客ぶりがすばらしく爽やかである。外見もいかにもな好青年で、サラサラの髪を中央で分け、いつも笑顔だ。 私はそこらへんほとんど主婦みたいなものだから、どうせなら爽やかな男に接客されたいと思い、そちらの列に並ぶ。多少、人が多いように見えても気にしない。 しかし、ひとつだけ欠点がある。この男、最後の最後で、唐突に接客が雑になるのである。おそらく、あの爽やかさは天性のものではなく、かなりの意識的集中によって生み出されているのだろう。そして一人の客を接客し終えた瞬間、正確にはその数秒前に、集中が切れてしまうらしい。 レジ台にカゴを置いた時の反応は爽やかである。ひとつひとつの商品にバーコードリーダーを押しつける手つきも爽やか、「お会計1025円です!」も「5円のお釣りです!
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