コスト削減の大号令がかかる中、ユーザー部門へのサービスはより高いレベルを求められているのが現在の情報システム部門。全体コストの過半を占める運用管理コストを、サービスレベルとの間でどう折り合いをつけながら最適化していけばよいのか悩む技術者と経営者に、ITIL(IT Infrastructure Library)は合理的な解決の道筋を示すことができるだろうか。今回は、ITILのあらましと導入の道筋、さらに導入成功事例を紹介していく。 昨年5月の本シリーズ「変更管理」においてその「日本上陸」を紹介したITILは、この1年の間に著しく知名度を上げ、運用管理に関わる人たちの大きな関心を呼んでいる。もともと情報システム部門の運用管理に対する関心は高い。多くの企業で必要に応じて「早く、安く」を旗印に導入されたオープン系システムは、多数のサーバーが拠点に乱立し、システム間連携がいたずらに複雑化する現状を生