2017年12月14日のブックマーク (1件)

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    (執筆:小林通天閣) 主人公に憧れていた。中学生の頃からだ。ヘッセは当に主人公だったろうか、1年4組のクラス文集には「1組の模範少年」という文章が載った。最初の定期試験で僕より1点高い点数を取ったサッカー部の彼は、いつも色黒の友人に囲まれ、2月には山ほどのチョコレートを受け取りながらそれをひけらかさないような人間だった。僕らのエーミールは今、お笑い芸人を目指しているらしい。勉強だけが取り柄の根暗な僕はといえば、黒ずんだ雑巾を、あるいは根に土を孕んだ丈夫な草を、色黒のスポーツ少年たちから投げつけられる日々を送っていた。 これはそんな少年の、それとは関係のないお話。 少年は母から障害者と呼ばれながら育つ。小学校入学から高校卒業まで一度も学校を休まなかった。学校も家も居場所ではなかった。よく泣く母は、よく叫びよく殴る母でもあった。血に汚れ歪んだ眼鏡を直しにオンデーズへ。店員はまず僕の眉間を消毒

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