先週末に、N君が「イプシロン-デルタ論法って、なんすかアレ? 全然分からないっす!」と言ってました。そのときはそれ以上話す時間もなかったし、次回会うときはこの話題を忘れてしまうかも知れないので、書き記しておきます。 僕は、伝統的なイプシロン-デルタ論法そのものには懐疑的です*1。ゴタゴタした不等式をいじり回すのは早々に切り上げて、開集合を導入したほうがいいと思います。そんな思いから、出来るだけ不等式を使わずに集合族に注目するスタイルでイプシロン-デルタ論法を紹介します。 内容: イプシロン-デルタ論法 時間や運動のイメージを捨て去る ユークリッド距離と開球体 扱う関数達と実例 平面から平面への写像 一点の周辺を記述する開球体の族 写像による開球体の像 デュエルゲームとしての連続性 論理式で書き下そう 再びイプシロン-デルタ論法 続編: 距離空間と位相空間と連続写像 イプシロン-デルタ論法