学校には連絡帳というものがある。仕事上、しばしば目にする。 自分が子どものとき、親と教師の間でどんなやりとりがなされていたのか、ほとんどもう記憶がない。いま小学校などで一般的にどんな使われ方をしているのかもよく知らない。それでも言えることとして、障害をもつ子どもの親にとって先生と交わす「連絡帳」の意義というのは、一般的なそれよりも大きなものではないかと思う。 なぜなら、帰宅後に学校での出来事を話せる子どもばかりではないから。そんな報告ができるのは、むしろ少数派だろう。報告やコメントというのは高度なスキルが求められる営みであって、とりわけ言葉をもたない子どもにとっては難しいコミュニケーションである。 学校でどんな授業があって、子どもがどう学んでいるのか。連絡帳に書かれている内容が親にとっての数少ない情報源となる。連絡帳は一方向的なものではなく双方向のものであるから、熱心な保護者は家での出来事