文化庁は、生成AI(人工知能)の開発や利用に伴う著作権侵害事例の収集に乗り出した。相談窓口などを通して被害実例を把握し、対策を検討する材料にすることで、時間をかけて創作した作品と似た文章やイラストがAIで大量に生成されることなどへの懸念を訴えるクリエイターらの不安解消につなげる狙いだ。 【図解】一目でわかる…文化庁が行う 「侵害事例」収集のイメージ 事例収集は主に、文化庁が昨秋設けた「文化芸術活動に関する法律相談窓口」のウェブサイトを通じて行う。今年2月末、サイトの受け付け画面に、相談内容の選択肢として「AIと著作権について」の項目を追加した。 同窓口は、クリエイターらから、仕事の契約や報酬などに関する相談を受け付け、文化庁が委託した弁護士が無料で対応している。著作権侵害や、侵害の疑いの相談も受けることで、AIと著作権をめぐって具体的にどんな問題が生じているか把握する。