僕は自分の写真が嫌いだ。 だって、男前じゃない。おでこは広すぎるし、歯が出ているうえに、顎あたりのカタチが変だ。 写真だと、鏡の前でつくっている「自分の顔はギリギリこういう顔」という絵にはならず、「不用意な表情を最悪の角度で」絵として固定されるから、残酷というか、世の中のすべての悪意がそこに現れるんじゃないかというぐらい、嫌なものになる。 まったく、男前が羨ましい。 しかし、ひょっとしたら、肖像画を描いてもらったら自分の満足のいくものになるんじゃないか、と思ったりする。 ん? する? いや、ともかく、カメラという身も蓋もない連中に比べて、アーティストというものは、それぞれの顔が持っている「美しさ」を、ちゃんと抽出してそこに描いてくれる気がするのだ。 僕の顔だって、見る人が見れば、「人生の厳しさと素晴らしさ、諦念とぎりぎりの希望の刻まれた深く豊かな顔」なのかもしれないじゃないか! 見る人が見
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く