過激派組織「イスラム国」が日本人の湯川遥菜さんと後藤健二さんを拘束し、日本政府などに要求を突き付けた事件が、日本社会を震撼させた。テレビも連日、イスラム国の人質事件のニュースを流しているが、現地の実情にくわしいジャーナリストがコメンテイターとして報道番組に出演することも多い。 そのうちの一人が、フリージャーナリストの安田純平さんだ。安田さんは、イラク・シリアを継続的に取材しており、後藤さんとも親交がある。また、かつてイラクで武装勢力に身柄を拘束され、解放された経験も持っている。今回の事件に対する日本政府の対応や、紛争地帯での取材の是非について、率直に語ってもらった。 ●日本社会に望まれる「懐の深さ」 ——人質問題について、これまでの政府対応をどう見ている? イスラム国による2人の日本人の拘束を把握してから事件が表沙汰になるまで、現場レベルでは解決に向けて、一生懸命に取り組んでいたのだと思い