ユーザー企業・団体に所属する読者の方は,ITベンダーの見積もりを見て,こんな風に感じたことはないだろうか。「なぜこんなに高いんだ」「この価格はいったいどうやって決まっているんだ」――。「情報システムの価格」をテーマにした日経コンピュータ6月27日号特集の取材でも,多くのユーザーやベンダーの方々に貴重なお話をいただいた。そのいくつかを紹介しよう。 最初は7億円,次の案は3分の1,さらに1000万円の案まで 最初は,ある自治体の合併に伴うシステム統合費用について。昨年8月のことだ。ある国産データベース(DB)・ベンダーの幹部が,大手メーカーの幹部に呼ばれて東京近郊のオフィスに出向いた。表向きの趣旨は“データベース製品の説明”。しかし実際には,この大手メーカーが請け負う地方自治体合併のシステム統合に関するデータ移行方法と,そのコストに関して激論が交わされた。 「コストは,見積金額の約3分の1にあ
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