脳の左側に2カ所ある「文法中枢」に脳腫瘍(しゅよう)があると、日本語の能動文や受動文などの文法を理解する能力に障害が生じることが、成人患者を対象とするテストで分かった。東京大や東京女子医科大、昭和大の研究チームが1日、国際科学誌ブレイン・アンド・ランゲージの電子版に発表した。 東大の酒井邦嘉准教授によると、この障害があっても、日常会話では文脈や常識で理解し合えるため、助詞の「てにをは」が抜ける程度で、本人も気付きにくい。しかし、手術後に外国語を習得しようとすると、通常より難しい可能性がある。また、脳疾患で言語障害になった後にリハビリを行う際には、文法機能に注目したプログラムを組むと、回復ぶりが良くなるのではないかという。 【関連ニュース】 ・ 宇宙線起源は超新星爆発=残骸の観測で裏付け ・ 鳥と同じ「指」持つ恐竜=進化の物的証拠に ・ ファンコニー貧血患者からiPS=小児難病、