連載 編集者がすすめる映画、洋楽から邦楽まで注目のミュージシャン紹介、人気俳優をフォーカスするフィガロオム、ここでしか読めないカルチャー連載。
連載 編集者がすすめる映画、洋楽から邦楽まで注目のミュージシャン紹介、人気俳優をフォーカスするフィガロオム、ここでしか読めないカルチャー連載。
全国のケモノバカの皆さん、トヨザキは今、〈耳の裏側や脇の下をくすぐられて、くすぐったくて、たまらなくなって、身体をまるめて床をころがりまわっ〉てるシロクマの仔のように上機嫌です。なんなら〈四つん這いになって肛門を天に向かって無防備に突き出して〉もいいくらいスコーンと開放的な気分といってもようございましょう。なぜならば、出来たてほやほやの『雪の練習生』を読んだからです。多和田葉子さんのこの最新作の主人公が、ベルリン動物園で生まれ人工哺育で育った、あの人気者クヌートだからなんです。 しかも、ケモノバカの皆さん、クヌートばかりじゃないんですよ、この小説に登場するのは。第一部「祖母の退化論」はクヌートのお祖母ちゃんにあたる〈わたし〉が、会議の合間をぬって書き進めている自伝になっていて、第二部「死の接吻」はサーカスで猛獣使いをしている小柄な女性ウルズラと、クヌートの母トスカの物語。そして、クヌートが
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