ブックマーク / book.asahi.com (2)

  • asahi.com: 快適生活研究 金井美恵子さん-著者に会いたい-BOOK

    ■鈍な自己愛に生きる幸福 巡る因果みたいに、接点なしと見えた登場人物がつながっていく。金と時間をもて余す手紙魔の中年女。自らの精神的ゆとり(自称)を読者限定の私製通信で誇示する教養人きどりの建築家。こういうタイプとは価値観が全然違う女性作家やその姪(めい)……。彼らの日々がなぜか交わる不条理をあぶりだす連作小説集だ。 に関するご託宣とか、ナルシストのふるまいに鼻白みながらもそれなりに対処する側の機知や寸評がおかしい。いるいる、こういう人、と思わず笑う。でもやがてドキッとするのだ。私って、何だかこっちの“鈍な自己愛”集団の方に近いかも。 「快適な生活は、まずお金があって、つまり消費することである程度は得られるでしょ。鈍な自己愛の持ち主であれば、その快適はさらに高まる。ものを考えなくてすむのだから気持ちよくやれるわけですよね。鈍な自己愛の持ち主の方が、どんな時代でも生きやすいのよ」 「この小

  • asahi.com:村上春樹版「ロング・グッドバイ」 清水訳から半世紀 - ひと・流行・話題 - BOOK

    村上春樹版「ロング・グッドバイ」 清水訳から半世紀 2007年03月14日 作家の村上春樹さんがレイモンド・チャンドラーの代表作『ロング・グッドバイ』(早川書房)を新訳した。多くの読者に読み継がれてきた清水俊二さんの名翻訳『長いお別れ』(ハヤカワ・ミステリ文庫)から半世紀、男の美学をはやらせたハードボイルド小説は、新たな都市文学としてよみがえった。 村上訳と清水訳を原典と対照して読み比べた文芸評論家の池上冬樹さんは、清水訳は声に出して読みたい明快なハードボイルド、村上訳はじっくり味わう都市文学、と分類する。 「清水訳は映画の字幕経験者ならではの“はしょり癖”があって、三つの形容詞を一つしか訳していなかったり、数行とばしたりするが、とにかく語感がいい。村上訳は一語一語のニュアンスまで丁寧に訳し、主人公のフィリップ・マーロウが、ハンフリー・ボガート的なハードボイルド探偵から、都市文学に出てくる

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