プロ野球はもっとカッコよく、ダンディであるべきだ。そんなふうに最近、強く思うようになった。 今、求められているのは、効率の良い野球でもなければ、楽しく面白い野球でもない。誇り高く、美学を貫く野球だ。 林昌勇(ヤクルト) 23試合登板、自責点0、防御率0.00 武田久(日本ハム) 20試合登板、自責点0、防御率0.00 開幕以来、完璧なピッチングを続けているストッパーが、両リーグにいる。右のサイドハンドからMAX160kmの、うねるような軌道の「蛇直球」を投げ込む林昌勇(イム・チャンヨン)と、公称170cmの小柄な身長を躍動させて、低いリリースポイントから投じる「滑空ストレート」が持ち味の武田久。シーズンが始まって2カ月以上経過した今の時期に、防御率0点は恐れ入る。幻に終わった“ミスターゼロ”同士の決闘。 6月8日のヤクルト-日本ハム戦は、このふたりの“ミスターゼロ”の投げ合