実はid:Atori:20041214:p1さんのレビューを読み、再読。 イーガンは短編の方が読みやすいと思う。しかし、イーガンがいつもここかしこで提訴する「アイデンティティ」「ジェンダー」の問題が興味深すぎて、長編もついつい読んでしまう。もっとも、長編のメインはイーガンのもう1つの持ち味「量子論」に攫われてしまうことが多く、「アイデンティティ」や「ジェンダー」の物語は惜しみなく投入される多くの枝葉・アイディア・ガジェット・世界観のどれか一つであることも珍しくないのだが…… 本作で出てくる「ジェンダー」に関する議論は大まかに分けると2つ。 1つは性別について。強化男性、強化女性、微男性、微女性、転男性、転女性、汎性といった性別が出てくるが、とりわけ第3の性としてあつかわれるべき汎性は、中性風の外見を持ち、性器がどのようになっているのかは家族とパートナーくらいしか知る必要がないと考えるひとび
![グレッグ・イーガン『万物理論』 - 無言の日記−It’s Nothing, Don’t Mention That](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/e7f0e0094f19e07dfa0b6d3f355006fbc79aa645/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimages-fe.ssl-images-amazon.com%2Fimages%2FI%2F51J3DEJJ1TL._SL160_.jpg)