ブックマーク / stillblue.ti-da.net (10)

  • ミステリーとの半世紀

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 佐野 洋 販売元/出版社 小学館 発売日 2009-02-21 Amazon/bk1/楽天ブックス ミステリは好きなのだが、だからといって片っ端から読むわけでもないわけで、全く読まない作家もいる。 佐野洋もその一人なのだけれども、何故読まないのかといえば、やっぱり、これはという抜き出た作品が思い浮かばないせいなのだろう。 とりあえずSFミステリということで『透明受胎』や「金属音病事件」あたりは読んでおくべきだよなあとは思ってはいるものの読まずに来てしまっているんだよなあ。 もうひとついえば、その昔、都筑道夫と名探偵論争をやったことも

    ミステリーとの半世紀
  • 消滅の光輪

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 眉村 卓 販売元/出版社 東京創元社 発売日 2008-07 Amazon/bk1/livedoor/楽天ブックス 著 眉村 卓 販売元/出版社 東京創元社 発売日 2008-07 Amazon/bk1/livedoor/楽天ブックス さすがに文庫にして上下巻1000ページ近くとなると怯んでしまう。昔はそんなことなどなかったのにと思うのだけれども、ようするに昔に比べて読みたいが増えてしまったせいなのだ。ただせさえ読書力が衰えて来ているというのに、読みたいは増える一方。死ぬまでにどのくらいのを読むことが出来るのだろうかと思うと、

    消滅の光輪
  • 愚者と愚者

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 打海 文三 販売元/出版社 角川グループパブリッシング 発売日 2008-06-25 Amazon/bk1/livedoor 著 打海 文三 販売元/出版社 角川グループパブリッシング 発売日 2008-06-25 Amazon/bk1/livedoor 読み終えて、鳥肌が立つような感覚におそわれたのは久しぶりだった。とにかく後から後からゾクゾクとしてくるのである。 打海文三はこの世界が抱えるありとあらゆる問題を、彼の恐るべき腕力と握力と筆力でもって圧縮し、そして描いたのだ。その圧縮率の高さは恐れ入るしかないのだが、無論、凝縮する過

    愚者と愚者
  • WORLDWIRED―黎明への使徒―

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 エリザベス ベア前嶋 重機月岡 小穂 販売元/出版社 早川書房 発売日 2008-05-23 Amazon/楽天ブックス 文庫三冊をまかなっておつりが来るほどのSFネタを注ぎ込みながら、つくづくこちらの期待するところを裏切り続けてくれただった。 逆に考えれば、投入されたSFネタのどれか一つに肩入れをするということなく全てを等価に扱いまとめ上げたともいえるわけで、それを考えると並大抵の力量じゃないよなあと思うのだが、しかし三冊も読まされてそんな優等生的な造りの話で終わらされたのでは納得がいかないという部分も確かにある。 そもそも、

    WORLDWIRED―黎明への使徒―
  • タイム屋文庫

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 朝倉 かすみ 販売元/出版社 マガジンハウス 発売日 2008-05-22 Amazon/楽天ブックス タイムトラベルとロマンスという組み合わせは相性が良いせいか、掃いて捨てるほど沢山の作品が書かれている。しかもそれはSFというジャンル内だけではなく、他のジャンルでもタイムトラベルが登場する作品は書かれており、ハーレクィンロマンスでさえもタイムトラベルを扱っている作品があるくらいなので、そこまで追うとなると尋常ではない努力が必要だ。 そんなわけだから、昔はタイムトラベル物が好きでよく読んでいたのだけれども、最近はもう飽きてきてしまい

    タイム屋文庫
  • むかしのはなし

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 三浦 しをん 販売元/出版社 幻冬舎 発売日 2008-02 Amazon/楽天ブックス ああ、これはいい話だなあ。 なんの予備知識もなくいきなり読んで、そして途中で明かされるある出来事に驚いて、そして最後の話まで一気に読みすすむ、というのが理想的なんだろうけれども、残念ながらそういう読み方は出来なかった。 もともとどんな話なのか知っていた上に、裏表紙のあらすじにどんな話なのかしっかりと書かれてしまっているからだ。 もっとも、あらかじめどんな話なのか知ってしまっていたとしても読み終えて、いい話だなあと感じるには違いないので問題ないわ

    むかしのはなし
  • 名短篇、ここにあり

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 編 北村 薫、宮部 みゆき 販売元/出版社 筑摩書房 発売日 2008-01-09 Amazon/楽天ブックス べず嫌いってのは損なんだよなあとつくづく実感してしまった。 半村良や小松左京はSF系なので読んではいるが、ミステリ系の多岐川恭や戸板康二や松清張あたりは、わず嫌いでほとんど読んでいない。 とくに松清張なんかは謎解きミステリとしても凄いのは知っていながらも、「社会派」という印象がこびりついてしまっているので毛嫌いしていた面もあったんだけど、松清張の「誤訳」を読んで目から鱗が落ちる思いをした。やっぱり凄い。 それ以外の作

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  • 倒立する塔の殺人

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 皆川 博子/ 販売元/出版社 理論社 発売日 2007-11 Amazon/楽天ブックス はっきりいって自分の好みではなく、買ってしまったいじょうは読まなくてはもったいないという気持ちのみで読み進めていったわけだが、読み終えてみると凄い物を読まされてしまったという気持ちでいっぱいになってしまった。 ページをめくる手が止まらないとかそういう問題ではなく、嫌々読んでいたうえに、読み終えてみればやっぱり好きな話ではなかったことが実感できて、さらにいえば好きな話ではなかったので全然満足できなかったわけだが、読み終えてみればそんなことなどどう

    倒立する塔の殺人
  • 濁った激流にかかる橋

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 死ぬまでに読んでおきたいリストなどというものを作っているわけではないけれども、そんな物があったとしたら上位に位置していたのがこの。 というわけで読み終えた今現在、あまりにも満足しきってしまったため恐ろしいことにいつ死んでも全く悔いが残らない気分なのである。 一の川によって分断されたとある町。川の氾濫が起こるたびに堤防を強化し、強化するたびにそれを上回る氾濫が起き、川はいつの間にか濁った激流と化してしまう。そして左右の町を繋ぐのはたった一の橋。様々な思惑と事情によって橋はいつまでたっても一しか作られず、たった一の橋は改修と増築

    濁った激流にかかる橋
  • ジョン平とぼくと3 ジョン平とぼくらの世界

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 大西 科学/ 販売元/出版社 ソフトバンククリエイティブ 発売日 2007-06-14 Amazon/Bk1/楽天ブックス おおっ、なんなんだこれは。 この巻でこのシリーズも一区切りとなったのだけれども、最後の最後になって世界をゆるがす驚天動地の設定が飛び出して来やがりました。魔法という物がこの世界に存在するという事に対するそれなりの論理がなされてきていたのだけれども、それはあくまでこのシリーズ全体を流れる雰囲気と同様、ゆったりとしてゆるやかで、暖かな日差しの縁側でほかほかとしているようなものであった。しかしそんな設定だけでは満足し

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