2008年6月5日のブックマーク (4件)

  • 「復活の日」小松左京 | 族長の初夏

    西方にクラークあり、北方にレムあれば、東の果てに小松左京ありてふ。世界各国語に翻訳されて不倒の評価を獲得した、これを読まずして何をかいわん的な小松左京の代表作です。読了したのはしばらく前で、さっき感想を書くために再度ぱらぱらしてみたんですが、初読み時の消耗を思い出して床に伸びてしまいそうになりました。 おそらく世界中を見わたしても、ここまで見事に「理詰めで人類を絶滅」させてのけた小説はいまだ数えるほどしかないのではないでしょうか。あらゆる分野にわたる膨大な教養に裏打ちされたシミュレーションは、まるで詰め将棋のような冷徹さで読み手を追いつめ、いかなる口ごたえも許しません。死にます。完膚なきまでに。ぐうの音も出ないとはまさにこのことです。 現在のテクノロジーでもたぶん、実際にちょっとの工夫とちょっとの手ちがいがいくつか重なりさえすれば、今からはじめて来年か二、三年後ぐらいにでも人類なんていとも

  • 古くてマイナーだけれど大好きな漫画×10。 - Something Orange

    遥か昔に連載が終了したマイナーな名作ZMAN(ゼットマン)の感想などを地道に進めている身としては、玉石混淆いちじるしい新作のレビューがブログ全体で多いように思う。というよりも旧作のレビューが少ないといった方がいいかもしれないが、旧作がレビューされない理由ではなく新作がレビューされる理由から考えてみる。 「なぜ新作のレビューが多いのか?」 なるほど。たしかにぼくのレビューもリアルタイムで読んでいる新作(現在連載中の作品)に偏りがちではある。 もちろん、旧作(連載が終了した作品)にも大好きな作品はいくらでもあるんだけれど、やはりいま読んでいる作品を優先させてしまう。 これはある意味で仕方ないことでしょう。ひとはやはり今日に生きているのだから。 また、古い作品を取り上げても古以外に入手経路がないわけで、読んでもらうことがむずかしいということも理由の一つではある。 しかし、メジャーでもなければ新

    古くてマイナーだけれど大好きな漫画×10。 - Something Orange
  • タイム屋文庫

    コードウェイナー・スミスの「アルファ・ラルファ大通り」は偶然と必然の織りなすタペストリーなのだが、その脇道を歩いていてもほんの少しの偶然と必然ぐらいはある。 というかここは、日々思ったこととか読んだの感想とかそんなものを書き溜める日記のようなものである。 著 朝倉 かすみ 販売元/出版社 マガジンハウス 発売日 2008-05-22 Amazon/楽天ブックス タイムトラベルとロマンスという組み合わせは相性が良いせいか、掃いて捨てるほど沢山の作品が書かれている。しかもそれはSFというジャンル内だけではなく、他のジャンルでもタイムトラベルが登場する作品は書かれており、ハーレクィンロマンスでさえもタイムトラベルを扱っている作品があるくらいなので、そこまで追うとなると尋常ではない努力が必要だ。 そんなわけだから、昔はタイムトラベル物が好きでよく読んでいたのだけれども、最近はもう飽きてきてしまい

    タイム屋文庫
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: やりたいようにやればいいじゃん、しゅごキャラが憑いてるよ「楽園への道」

    All kids hold an egg in their soul... Egg of our hearts... Our would-be selves... Yet unseen ... But adult? 「なりたいアタシ」や「ありたいジブン」は、普通、「夢」と呼ばれる。大きくなったら何になりたい? その子にとって大切なタマゴのようなものだ。みごと、そのタマゴを孵化させる人もいれば、割ってしまう人もいる。 だが、それは子どもがオトナになる過程で実現したり失ったりするもの。 では、いいオトナがそうしたタマゴを見出してしまったら、どうなる? 書の2つの人生が、それぞれ答えを示している。ひとりは、ポール・ゴーギャン。高給と子を投げ捨てて、絵を描き始める。もう一人は、その祖母フローラ・トリスタン。貴族生活から脱し、労働者や女性たちの権利確立のために奮闘する。 自分を生贄にして楽園を目

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: やりたいようにやればいいじゃん、しゅごキャラが憑いてるよ「楽園への道」