東京には人種・宗教・文化を超えて様々な人が集まる訳なのだが、とりわけ不思議でしょうがないのが「中央線文化」と言われるサブカルチャー人種が集まる一帯。社会のレールから少し外れてしまったダメな大人が心地良く暮らしている、といったイメージで語られる事の多い中央線文化圏だが、それは決して山谷や寿町あたりに漂う孤独と悲壮感、そして足立区あたりにあるリアルな貧困問題が全く存在せず、むしろ大衆に迎合しない「自ら好き好んで選択したビンボー」を生きる人々が集まる、変な街である。 その代表格とも言えるのが「高円寺」である。 中産階級サラリーマンが遠い八王子や立川あたりから新宿目指して毎日ぎゅうぎゅう詰めになりながら走るJR中央線。それに乗って新宿からたったの2駅の距離にあるのが高円寺駅。 「学生街」「おのぼりさんの街」として下北沢と対比されやすい存在にある高円寺だが、駅周辺にはライブハウスや古着屋が密集する商