面接を終えた翌日の朝、だいちょまんは眠たい目をこすりながら散歩をしていた すごく澄んだ青空。春の陽気で暖かい。こういう日はひたすら歩いて憂鬱な気分を晴らすに限る。昨日の面接で、面接官である6人の大人相手に醜態をさらしてしまった自分を思い返すと眠れなくて、いてもたってもいられなかったからだ 今日は知らない町を歩く。坂の多い街、長崎。山側に向かって歩を進める。 菜の花の独特な匂い 赤くて小さな椿の木 まるまる太った柑橘が道路に転がっている 住宅街を抜けるといつのまにか自然が多くなり、街のざわめきは消え、その代わり、強い春風が吹いてザザザと木々がこすれあう音が聞こえるようになった いつの間にか林道を歩いていたようだ。時折車が通るだけで、人の姿はない。 教会があった。キリスト教は日曜日にお参りをするんだっけ。きょうは土曜日だから静かだ だいぶ登ったな… いったいどこに向かっているんだ?…と不安にな
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