分子生物学の基礎的な内容を全14回で説明していきます。生体の中で行われている様々な現象を、全て分子レベルで説明してしまう学問領域。それが、分子生物学です。そして、多くの現象がデオキシリボ核酸(DNA)に含まれる塩基配列、アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)によって制御される要素を持っています。本講義では、A、T、G、Cに中心を置きつつも、基礎的な点について、少しだけ幅をもたせた説明を行っていきたいと思います。 第1回は、生体内ではどのような分子が働いているのかについて、基礎中の基礎と呼べる内容を説明していきます。まずは3大栄養素である炭水化物、タンパク質、そして脂質について。さらにビタミンとミネラルを追加した5大栄養素まで。そして、塩基+糖+リン酸から成るヌクレオチドと総称される物質について、説明したいと思います。 第1回『生体を構成する物質』 1. 塩基 2.