今回は、街中でみつけた、圏外なコピーを紹介します。個人的には、この一年間で、いちばんいいコピーだなあと思ったものです。それは、地方の「老人ホーム」で見つけたコピー。その老人ホームの各部屋の前に、こんな表札が設置されていました。 ふつうだったら、各部屋の表札は「101号室」などと表現するでしょう。それを「番地」で表示することで、各部屋が「家」という概念に変わっている。老人ホーム全体が「街」という概念に変わっているのです。住んでいるご老人の視点からみると、部屋に住んでいる感覚から、「家」に住んでいるという感覚に変わっている。またヒアリングしたところ「きょうは、2丁目の人と、3丁目の人でお茶会しましょうねえ」のような、住人同士のコミュニケーションも生まれているという。