除染で出た土などの仮置き場に積み上がる無数のフレコンバッグ。福島県内各地でこうした光景が見られたが、中間貯蔵施設に搬入されて復興が進んだ=福島県富岡町で2015年11月27日、本社ヘリから森田剛史撮影 東京電力福島第1原発事故で拡散した放射性物質を取り除く福島県内の除染で出た土は、同県大熊、双葉両町にまたがる中間貯蔵施設で保管され、2045年3月までに国が県外で最終処分すると決められている。だが、処分先の選定は進まず、最終処分量を減らすために放射性セシウム濃度1キロ当たり8000ベクレル以下の土を全国の公共工事で再利用する計画も難航。こうした原発の負の側面が衆院選で議論されないことに、故郷を奪われた住民たちからは「もっと目を向けてほしい」との声が上がる。 「土を引き取ってくれ、と言われたらどうしますか」。大熊町から西に100キロ近く離れた福島県会津若松市に避難する庄子ヤウ子(ようこ)さん(