賠償や廃炉費用の負担分が記載されたグリーンコープでんきの明細書のコピー=2024年12月23日、高田奈実撮影 東京電力福島第1原発事故の処理費用が膨らみ続けている。賠償などにかかる費用の想定は現在、計23・4兆円。事故から14年となったが、原発で溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の本格取り出しはめどが立たず、収束までの道筋は見えていない。原発再稼働もままならない東電の賠償能力が問われる中、電気を利用する全ての人がその負担を背負わされている。 23・4兆円のうち、被災者らへの賠償費用は9・2兆円。実はこの一部は既に全国の家庭が負担している。事故の賠償責任を負う東電が払うべき費用を、なぜ電気の利用者が負担するのか。 「本来、原子力事業者が負うべき責任を小売りに負わせている」。福岡市の新電力「グリーンコープでんき」の東原晃一郎理事はこう憤る。 賠償費用は当初、東電と他の原発を持つ電気事業者が負担する