企業が商品を生産し、お客様に届けるまでには企画・設計・製造など数多くの活動が必要です。それらの企業活動の一連の流れを表現するために、図1.のようなモデルがよく使われます。このモデルは企業内の活動が生み出していく付加価値の連鎖を表すことから「バリューチェーン(価値連鎖)」と名付けられています。つまり、企業が最終的にお客様に提供できる付加価値は、商品企画から、開発・設計、購買、製造・組立、販売などの活動が次々生み出す付加価値の総和となります。 バリューチェーンという考え方は付加価値の構造を明らかにするだけではなく、企業の強みや弱みの分析、競争力を高めるための手段を検討する上でも有効です。前回のコラムで取り上げたヒートテックの事例は、東レ社の強みである開発・生産機能と、ユニクロ社の強みである小売機能を、戦略的パートナーシップで連携したと見ることができ、この2社で構成される活動の流れも広義のバリュ