戦争にさえルールがある。戦争のルールは、兵士同士の殺し合いを止めはしないが、戦闘に巻き込まれた民間人が人道的に扱われ、可能な限り危険から守られるようにすることを、その目的としている。こうしたルールは、すべての当事者に平等に適用される。 2023年10月7日にイスラエルが受けたような、数百人の民間人が犠牲となる残酷な奇襲攻撃をたとえ片方が受けたとしても、戦争法の適用が免除されるわけではない。戦闘を計画するにあたって、民間人の保護は法的要件だ。 少なくともジュネーヴ諸条約は、こうした理屈をもとに成り立っている。第2次世界大戦後に制定・採択された最新の第4条約は、この大戦で行われたような民間人の殺戮(さつりく)や残虐行為の再発防止を目的としている。
