国内スタートアップが提供する「バーティカルSaaS」への注目が高まっている。バーティカルSaaSは、建設、介護、不動産など特定の業界に向けたクラウド型の業務システムだ。市場規模が限定的な業界向けシステムといった見方は過去のものとなり、2023年上期においても数多くの資金調達が発表された。 背景には、日本の産業が抱える深刻な人手不足や生産性向上といった課題がある。医療、介護、製造業、建設などあらゆる業界が労働力不足に陥っており、例えば物流業界では法改正によりドライバーが不足する「2024年問題」など、時間的制約が明確な切迫した状況も発生している。 この状況を受け、一連の業界ではIT導入の重要性が指摘されていたが、実際の状況は停滞していた。そこに目をつけているのが、新進気鋭のバーティカルSaaS企業だ。これらの企業は単なるクラウド型業務システムにとどまらず、マーケットプレース、金融機能なども提