2009年10月初め,米国サンディエゴで開催された無線関連の総合展示会「International CTIA WIRELESS I.T. & Entertainment」(CTIA-IT)では,FCC(連邦通信委員会)の新しい委員長,ジュリアス・ジェナコウスキー氏や,通信事業者の幹部が基調講演に登壇した。 「業界寄り」に軟化したFCC 例年はコンテンツやアプリなどの話題が中心だったが,今回は久しぶりに周波数とインフラの議論が戦わされた。ジェナコウスキー氏は,「無線ブロードバンド時代に向け,追加周波数をもっと用意する」と言明。「固定と無線は別」,「基地局建設を早めるよう支援する」といった主張と相まって,携帯業界の関係者である聴衆から大きな拍手がわいた。 一方,米AT&T携帯部門トップのラルフ・デ・ラ・ベガ氏は,「最近のデータ利用の増加により,ネットワークの帯域が圧迫されている」と述べる一方,