哲学思考には、科学思考とも日常的な思考とも異なる独特の方法があると主張した。科学においては「仮定から結論が導かれる」のに対して、哲学においては「仮定から仮定的ではない原理が導かれる」と論じた。また、哲学は日常的に誰もがすでに「わかったつもりになっていることを、別の視点から捉えなおし、より優れた理解をしようと」する学問であるとも述べている。こうした議論は、コリングウッドのプラトン解釈に基づいている。 また、哲学の方法を総括する目的でコリングウッドは「形式の変移図」という考えを導入した。「形式の変移図」とは異なる項の連なりであり、上位の項は下位の項が体現する理想を実現したものである。例えば、ロックによると、「知識」の概念の変移図の始めの項は「判断」であり、最上の項は「直観」である。つまり、「直観」という知識の形式は、「判断」が実現しようとしている知識の理想的なあり方を実現しているのである。哲学