<金持ちと大企業を優遇し、公平な社会づくりをなおざりにしてきたアメリカ──そのツケを払うかどうかで未来は決まる> 米大統領選でジョー・バイデンがドナルド・トランプに僅差で勝利してから1年余り。今もアメリカは、先の見えない不安定な状態にある。 今後の米政治がどう転ぶか、可能性はいくらでも考えられる。バイデンが目指す経済的・政治的改革が徐々に進む可能性もあれば、トランプが2021年1月に画策したように、選挙や憲法に基づく統治がひっくり返される可能性もある。 アメリカの中核を蝕(むしば)む深刻な病こそ、この「トランプ運動」を招いた要因だ。しかし、その正体を正確に診断するのは簡単ではない。 それは、アメリカを人種や宗教、イデオロギーで分断する文化戦争なのか。過去に例のない富や権力の格差の拡大なのか。それともアメリカが自ら始め、主導してきた戦争が大失敗に終わり、一方で中国が台頭するなかで世界における
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