ヤマシタトモコ「違国物語」 (約4500文字)nkobi1121.hatenablog.com 姉は双子の女児を産んだ。 二人とも早い段階で発達障害の診断が下り、普通の小学校の授業についていくには厳しい知能でもあった。 母によると姉は二人をせめて「人並み」にしたいという思いから、厳しく勉強を教えたらしい。 姉は必死になって勉強を教えた。双子も必死になって勉強したが、姉の懸命な指導もむなしく、二人の学力は人並みにはならなかった。 二人はそれぞれ田舎の偏差値の低い高校になんとか合格したが、そこでも下から1,2を争う成績だった。 この双子の何歳か下に男の子がいた。この子は勉強ができる子で、オール5なんだと、この子が小学生の5、6年生の時に姉は私に誇らしげに言った。この子が今高校生で、某旧帝大の理系学部を目指しているがちょっと行き詰まっているという。「よかったら、勉強みようか?」と言ったが、「いい