新型コロナウイルスの感染が急拡大するなかで行われた今年の中学入試。東京で「御三家」と呼ばれる難関私立中の入試では、「難民」や「ジェンダー」などの社会問題に対する考えを書かせる問題が出題された。時事用語の丸暗記だけでは到底歯が立ちそうもないこうした問題は、いったい何を問うているのか。長年にわたる中学受験ウォッチャーが、最新の傾向を2回にわたり解説する。(写真は麻布中学高校の正門) 難民政策の記述問題が話題に 麻布中が社会科の入試問題で「難民」をとりあげたことが、ネットニュースでも話題になった。単に難民についての出題があったというだけでなく、日本政府の難民政策が「難民を保護するという点から見たときにどのような問題があると考えられますか」(問9)と自由記述形式で問われていることが「すごい」「入管職員も受けてみて」という反響を呼んだのだ(弁護士ドットコムニュースの記事はこちら)。今年にかぎらず麻布