ドイツの再生可能エネルギー転換策の仕組みは、一体どのようになっているのか。ここ数年、10月になるとメディアが一斉に「再生可能エネルギーによる電気料金の値上げ」を非難する。その一方で、再生可能エネルギーの推進を称賛するニュースもある。それはなぜなのか。今回は、この分野に精通している人にしか理解できなくなりつつある、再生可能エネルギーへの疑問に答えたいと思う。 再生可能エネルギー(以下、再生可能エネ)とは、太陽光や太陽熱、風力、水力、地熱、バイオマス(生物由来の資源)などの持続可能な自然資源を、私たち人間が消費できる形(電力、熱、動力燃料)に転換したエネルギーのことを指す。今回はそうした再生可能エネのうち、「電力」に限定して話を進めてみよう。 ドイツの再生可能エネの推進 ドイツでは、過去20年にわたって再生可能エネ電力の推進が国策として行われてきた。1991年には、電力事業者に再生可能エネ電力