ミルカツ、というカツがある。薄切りの豚肉をミルフィーユのように重ねて揚げて「ミルカツ」。これがうまい。専門店があったり、弁当屋チェーンでもメニューにあるので食べたことある人も多いだろう。 さて、今ミルフィーユという言葉が出てきた。「ミル(mille)」とはフランス語で「1000」、「フィーユ(feuille)」は「葉」という意味である。つまり「1000枚の葉」だ。というわけで、ミルカツは「1000枚のカツ」すなわち1000枚の豚肉という意味を表さなくてはならない。 しかし、例えば某専門店のミルカツは「25枚以上の肉を重ねて・・・」とある。1000枚には程遠い。程遠いのは当たり前のことかもしれないが、もしかしてもっと重ねたら、何か違う地平が見えて来はしないだろうか。というか単に、べらぼうに肉を重ねて揚げてみたい、それだけだ。 (乙幡 啓子) 豚肉部に敬意を表して というわけで、まずは薄い肉の