東日本大震災で発生したがれきを被災地以外で処分する「広域処理」の推進を目的に、二〇一一~一二年度の復興予算から支出された環境省の交付金のうち、約九割が実際にはがれきを受け入れなかった自治体などに配分され、無関係な事業に使われていたことが分かった。広域処理が必要ながれき量が、当初の想定より大幅に減ったのが直接の原因だが、同省は交付中止や返還要請の対応をとらなかった。交付金のずさんな基準があらわになった。 (中根政人) 問題の交付金は、震災のがれき処理を前提に、ごみ処理施設の整備費などを補助する環境省の「循環型社会形成推進交付金」。被災地内で処理する場合と、被災地以外で広域処理する場合の両方に使われている。 しかし、広域処理を目的に被災地以外の自治体や行政団体に交付を決定した約百二十億円のうち、実際に処理した自治体などには約一割の十億円程度しか回らなかった。約九割の約百十億円は、広域処理を申し