安倍晋三首相が臨時国会冒頭の所信表明演説で改憲への変わらぬ意欲を見せる一方、七月の参院選で初当選し本格的な国会活動に臨む重度障害者の舩後(ふなご)靖彦、木村英子両氏(いずれもれいわ新選組)が、改憲よりも「現行憲法の理念を実現することの方が喫緊の課題」と訴え、対照的な姿勢を示している。両氏は幸福追求権を定めた一三条や生存権の保障を定めた二五条などを挙げ「障害者には十分実現されていない」と指摘する。 首相は四日の所信表明演説で、筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の舩後氏を「友人」と紹介。社会保障などの改革に向けた「道しるべは、憲法だ」と、衆参両院の憲法審査会での議論を促した。 舩後氏は演説を受け、就労中が対象外となる「重度訪問介護」の制度改正について「首相とともに実現していきたい」と、歓迎するコメントを発表した。だが憲法に関しては、本紙のインタビューで「二五条で保障する権利が障害者には十分に認め