日本女性法律家協会主催(日本弁護士連合会共催)により、セミナー「ドイツから学ぶ子どもの最善の利益 ドイツ家族法の概要」を以下のとおり開催予定です。 本セミナーの詳細はこちらをご覧ください。
法務省の性犯罪の罰則に関する検討会は、12回にわたる会合を通じた議論の結果を取りまとめて公表した。 本検討会では、性犯罪の法定刑の見直し、強姦罪における暴行脅迫要件の緩和、いわゆる性交同意年齢の引上げ、性犯罪の非親告罪化、性犯罪に関する公訴時効の撤廃又は停止など現行法の見直しのほか、強姦罪の主体等の拡大、性交類似行為の処罰規定や地位・関係性を利用した性的行為の処罰規定の創設など新たな犯罪構成要件を定めることなど、多岐にわたる論点について議論がなされた。 強姦罪等の性犯罪は、被害者に多大なる肉体的及び精神的なダメージを与え、被害者の人格や尊厳を著しく侵害する犯罪である。性犯罪の加害者を適切に処罰することは、一般予防の見地からも特別予防の見地からも重要である。また、性犯罪事件においては被害者が性的プライバシーに関わる事実の供述を求められるなど、刑事手続における被害者の負担が大きいことから、被害
菅義偉内閣総理大臣は、2020年10月1日から任期が始まる日本学術会議(以下「会議」という。)の会員について、会議からの105名の推薦に対し、6名を任命から除外した。この任命拒否について、具体的な理由は示されていない。 会議は、「わが国の科学者の内外に対する代表機関」(日本学術会議法第2条)である。同法前文においては、「科学が文化国家の基礎であるという確信に立って、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命」とするとされ、同法第3条には職務の独立性が明定されている。 さらに、その会員選出方法について、設立当初、全国の科学者による公選制によるものとされた。すなわち、職務遂行のみならず、会員選出の場面においても、名実ともに政府の関与は認められていなかった。会議が、一方では内閣総理大臣が所轄する政府の諮問機関とされながら、政
国連子どもの権利委員会(以下「委員会」という。)は、子どもの権利条約(以下「条約」という。)の第4回・第5回日本政府報告に対し、2019年1月16日及び17日に行われた審査を踏まえ、同年2月1日付けで総括所見を発表し、多項目にわたって懸念の表明と勧告を行った。 とりわけ緊急の措置が取られなければならない分野(以下「緊急分野」という。)であると委員会が指摘した差別の禁止(条約第2条)に関しては、委員会は、包括的な反差別法の制定、婚外子差別を含むあらゆる子どもに対する差別的規定の撤廃、マイノリティへの差別防止措置の強化を勧告している(18項)。これらは、他の条約機関からも繰り返し勧告を受けている事項であり、日本政府はこれを真摯に受け止め、早急に対応すべきである。 また、同じく緊急分野と指摘された子どもの意見の尊重(条約第12条)に関しては、日本の現状は、22項で勧告されている「子どもに影響を与
東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故から8年が経過した。人々の暮らしも一見平穏を取り戻しつつある一面があるものの、被害の事実が年々風化しつつあることに危惧を抱かざるを得ない。 被災地の復興事業の進捗には、地域間で相当な格差が見られ、被災者一人ひとりの生活再建にはなお様々な困難が存在し、復興はいまだ道半ばである。災害援護資金貸付の償還が本格化していることや、災害公営住宅の家賃引上げなど、一部の被災者の生活は困窮を深めている。 原発事故からの復旧・復興も、いまだ十分ではない。避難指示が解除された自治体への帰還率も高いとは言えず、帰還した被害者もインフラが十分に整わない環境での不便な生活を強いられ、避難を続けざるを得ない被害者も多数存在する。また、避難を続けている被害者は、避難の長期化による孤立・差別・いじめの問題や公的支援の打切り等により、精神的にも経済的にも厳しい状況に置かれてい
近時、原子力損害賠償紛争解決センター(以下「センター」という。)における原発事故被害者による集団申立案件において、センターが一律増額を認めた和解案について、東京電力ホールディングス株式会社(以下「東京電力」という。)が受諾を拒否したため、和解仲介手続が打切りとなる事例が相次いでいる。2018年に和解仲介手続が打切りとなった集団申立案件は18件で、その申立人数は約1万9000人に及ぶ。本年に入ってからも1件の集団申立案件が打切りとなっている上、係属中の集団申立案件でも、東京電力から和解案を拒否されている案件が複数報告されている。また、集団申立案件ではない個々の案件について、東京電力が和解案の受諾を拒否したために和解仲介手続が打切りとなった件数は、昨年大幅に増加し、昨年のセンターの和解成立は67.8%まで低下している。 東京電力は、集団申立案件に対する和解案を拒否する理由として、中間指針及びそ
本日、大阪拘置所において2名の死刑が執行された。その中には再審請求中であるものも含まれている。本年7月6日には7名、同月26日には6名に対する死刑執行が行われており、1年間で合計15名という大量の死刑執行がなされたことになる。本年10月の就任以降、山下貴司法務大臣による初めての執行であり、第2次安倍内閣において、死刑の執行は15回目で、執行人数は合わせて36名となる。 当連合会は、2016年10月7日、第59回人権擁護大会において、「死刑制度の廃止を含む刑罰制度全体の改革を求める宣言」を採択し、日本政府に対し、日本において国連犯罪防止刑事司法会議(コングレス)が開催される2020年までに死刑制度の廃止を目指すべきであることなどを求めてきた。 犯罪により奪われた命は二度と戻ってこない。このような犯罪は決して許されるものではなく、犯罪により身内の方を亡くされた遺族の方が厳罰を望む心情は十分に理
本日、東京拘置所において3名、大阪拘置所において2名、広島拘置所において1名及び福岡拘置所において1名の合計7名に対して死刑が執行された。そのうち6名が再審請求中であり、心神喪失の疑いのあるものも含まれている。昨年8月就任以降、上川陽子法務大臣による2回目の執行であり、第2次安倍内閣以降、死刑が執行されたのは、13回目で、合わせて28名になる。 犯罪により命が奪われた場合、失われた命は二度と戻ってこない。このような犯罪は決して許されるものではなく、犯罪により身内の方を亡くされた遺族の方が厳罰を望むことは、ごく自然なことであり、その心情は十分に理解できる。一方で、刑罰制度は、犯罪への応報であることにとどまらず、社会復帰の達成に資するものでなければならない。それが再犯の防止に役立ち、社会全体の安全に資することになる。人権を尊重する民主主義社会であろうとする我々の社会においては、犯罪被害者・遺族
本年7月7日(日本時間7日深夜)、ニューヨーク国連本部の条約交渉会議にて核兵器禁止条約が採択された。投票参加国124カ国のうち、賛成122、反対1、棄権1の圧倒的多数の賛成によるものである。 当連合会は、本年3月27日から始まった「核兵器のない世界」を国際法規範として確立することを目的とする史上初の本国連会議に注目し、6月6日付けで「『核兵器禁止条約』の早期実現を求める会長声明」を発表するとともに、NGOとして参加し、同国連会議の第二会期中の6月19日には、 当連合会の代表が発言を行った。 当連合会が1954年の第5回定期総会において、「原子力の国際管理、平和利用、原子兵器の製造、使用、実験禁止に関する宣言」を行い、1978年には当連合会独自の「核兵器使用禁止条約案」を発表し、当時のワルトハイム国連事務総長に提出するなど、核兵器禁止条約締結を求めてきた歴史を振り返るとき、今回の条約採択につ
英語版(English) 本日、いわゆる共謀罪の創設を含む組織的犯罪処罰法改正案(以下「本法案」という。)について、参議院本会議において、参議院法務委員会の中間報告がなされた上で、同委員会の採決が省略されるという異例な手続により、本会議の採決が行われ、成立した。 当連合会は、本法案が、市民の人権や自由を広く侵害するおそれが強いものとして、これまで本法案の制定には一貫して反対してきた。また、本法案に対しては、国連人権理事会特別報告者であるジョセフ・カナタチ氏が懸念を表明する書簡を発出するという経緯も存した。 本国会における政府の説明にもかかわらず、例えば、①一般市民が捜査の対象になり得るのではないか、②「組織的犯罪集団」に「一変」したといえる基準が不明確ではないか、③計画段階の犯罪の成否を見極めるために、メールやLINE等を対象とする捜査が必要になり、通信傍受の拡大など監視社会を招来しかねな
中央最低賃金審議会は、近々、厚生労働大臣に対し、本年度地域別最低賃金額改定の目安についての答申を行う予定である。昨年、同審議会は、全国加重平均25円の引上げ(全国加重平均823円)を答申し、これに基づき各地の地域別最低賃金審議会において地域別最低賃金額が決定された。 しかし、時給823円という水準は、1日8時間、週40時間働いたとしても、月収約14万3000円、年収約171万円にしかならない。この金額では労働者が賃金だけで自らの生活を維持していくことは到底困難である。日本の最低賃金は先進諸外国の最低賃金と比較しても著しく低い。例えば、フランスの最低賃金は9.76ユーロ(約1218円)、イギリスの最低賃金は7.5ポンド(25歳以上。約1083円)、ドイツの最低賃金は8.84ユーロ(約1103円)であり、日本円に換算するといずれも1000円を超えている。アメリカでも、15ドル(約1667円)へ
本年12月19日、法務省は、司法修習生の経済的支援策に関し、法曹三者での協議を踏まえ、平成29年度以降に採用される予定の司法修習生(第71期以降)に対する新たな給付制度を新設する制度方針を発表した。 2011年に司法修習生に対する給費制が廃止され、修習資金を貸与する制度に移行してから5年が経過した。この間、司法修習生は、修習のために数百万円の貸与金を負担するほか、法科大学院や大学の奨学金の債務も合わせると多額の債務を負担する者が少なからず存在する。近年の法曹志望者の減少は著しく、このような経済的負担の重さが法曹志望者の激減の一因となっていることが指摘されてきた。 司法制度は、三権の一翼として、法の支配を社会の隅々まで行き渡らせ、市民の権利を実現するための社会に不可欠な基盤であり、法曹は、その司法を担う重要な役割を負っている。このため国は、司法試験合格者に法曹にふさわしい実務能力を習得させる
本日、「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(以下「カジノ解禁推進法」という。)が成立した。 当連合会は、去る11月30日には、同法案の審議入りに当たり、会長声明を公表し、改めてカジノ解禁推進法案に反対し、廃案を求めた。カジノ解禁推進法案には、暴力団対策上の問題、マネー・ローンダリング対策上の問題、ギャンブル依存症の拡大、多重債務問題再燃の危険性及び青少年の健全育成への悪影響等看過できない問題点が多数含まれている。 ところが、衆議院内閣委員会では6時間という極めて短い審議時間で採決が強行された。その結果、多くのメディアからも同法案の内容のみならず審議の過程への懸念が指摘されていた。さらに、参議院内閣委員会では、基本法たる刑法が賭博を犯罪とするなかで民間賭博を認めることの、法秩序全体の整合性の点からの問題点も改めて浮き彫りとなったが、同委員会でも、十分な審議は行われず、修正案につい
今般、政府は、2003年から2005年にかけて3回に渡り国会に提出し、当連合会や野党の強い反対で廃案となった共謀罪創設規定を含む法案について、「共謀罪」を「テロ等組織犯罪準備罪」と名称を改めて取りまとめ、今臨時国会に提出することを検討している旨報じられている。 政府が新たに提出する予定とされる法案(以下「提出予定新法案」という。)は、国連越境組織犯罪防止条約(以下「条約」という。)締結のための国内法整備として立案されたものであるが、その中では、「組織犯罪集団に係る実行準備行為を伴う犯罪遂行の計画罪」を新設し、その略称を「テロ等組織犯罪準備罪」とした。また、2003年の政府原案において、適用対象を単に「団体」としていたものを「組織的犯罪集団」とし、また、その定義について、「目的が4年以上の懲役・禁錮の罪を実行することにある団体」とした。さらに、犯罪の「遂行を2人以上で計画した者」を処罰するこ
本日、沖縄県知事は、前知事が2013年12月27日に行った普天間飛行場代替施設建設事業(以下「本事業」という。)に係る公有水面埋立ての承認(以下「本件承認」という。)を、公有水面埋立法第4条第1項の承認要件を充足していない瑕疵があるとともに、取消しの公益的必要性が高いことを理由として、取り消した。 本事業で埋立ての対象となっていた辺野古崎・大浦湾は、環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠA類かつ天然記念物であるジュゴンや絶滅危惧種を含む多数の貴重な水生生物や渡り鳥の生息地として、豊かな自然環境・生態系を保持してきた。当連合会は、2000年7月14日、「ジュゴン保護に関する要望書」を発表し、国などに対し、ジュゴンの絶滅の危機を回避するに足る有効適切な保護措置を早急に策定、実施するよう求めた。 また、当連合会は、2013年11月21日に、「普天間飛行場代替施設建設事業に基づく公有水面埋立てに関する意見書
本日、参議院本会議において、平和安全法制整備法案及び国際平和支援法案(以下併せて「本法案」という。)が採決された。 当連合会はこれまで、昨年7月1日の閣議決定及び本法案について、政府が憲法第9条の解釈を変更し、これを踏まえて法律によって集団的自衛権の行使を容認することは、憲法の立憲主義の基本理念、恒久平和主義及び国民主権の基本原理に違反することを、繰り返し指摘してきた。また、後方支援の拡大や武器使用の拡大等の立法も、自衛隊が海外において武力の行使に至る危険性を高めるものとして、同様に憲法に違反することを指摘し続けてきた。 本法案の国会審議が始まってからは、衆議院憲法審査会における3名の参考人をはじめとする多くの憲法学者、歴代の内閣法制局長官、さらには元最高裁判所長官を含む最高裁判所判事経験者が、本法案の違憲性を指摘するに至った。 これに対し、国会における政府の説明は極めて不十分であり、本法
中央最低賃金審議会は、近々、厚生労働大臣に対し、本年度地域別最低賃金額改定の目安についての答申を行う予定である。厚生労働省は、昨年度の改定において、全国加重平均16円の引上げ(全国加重平均780円)をもって平成20年の改正最低賃金法施行後、初めて全ての都道府県において、最低賃金で働いた場合の手取り収入額と生活保護費(生活扶助+期末一時金+住宅扶助実績)とのいわゆる逆転現象が解消される見込みとなったと公表した。しかし、日本の最低賃金は依然として先進諸外国と比較しても低い水準であり、大幅な引上げの必要性は高い。 まず、逆転現象の解消については、生活保護基準引下げの影響があることを見逃してはならない。生活保護基準はナショナル・ミニマム(国家的最低保障)が現実化したものであるところ、憲法25条2項が国に社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上増進義務を課していることからすれば、その引下げが、最低賃金の
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