まえがき 本の雑誌2020年7月号掲載の原稿を転載します。記事名にも入れているけど、『もうダメかも──死ぬ確率の統計学』は大作ひしめく今年のノンフィクションの中でも上位に食い込む一冊だった。人生というのはリスクに満ち溢れていて、我々にできるのはできるかぎりリスクを減らし、時にリスク覚悟で突っ込んでいくことだけだ。 もう一つ、地味におもしろかったのがアメリカの民間刑務所のひどすぎる実態を潜入調査した『アメリカン・プリズン』。囚人一人あたり何ドルともらえる金がきまっているので、民間刑務所としては囚人一人あたりに金をかけなければかけないほど儲かるというインセンティブが生まれて、異常ともいえる仕打ちが横行しているんだよね。ほんと、読んでてびっくりした本だった。この月はスゴ本の人のスゴ本も紹介! 原稿 もうダメかも――死ぬ確率の統計学 作者:マイケル・ブラストランド,デイヴィッド・シュピーゲルハルタ