日本の大使はやはり外務省のプロが最適なのか。民間の専門家は不適なのか。特に商社マンは外交官には向かないのか――中国駐在の丹羽宇一郎大使の最近の言動がこんな基本課題を改めて提起したようだ。 中国駐在の日本の特命全権大使、丹羽氏の言動が内外で大きな話題となった。東京都の石原慎太郎知事が進める尖閣諸島の購入計画に対して、丹羽大使は「日中関係に極めて深刻な危機をもたらす」として反対を表明したというのだ。同大使はその言葉をイギリスの有力紙「フィナンシャル・タイムズ」に語り、その通りに報道された。 尖閣諸島は言うまでもなく日本固有の領土である。中国が不当にその領有権を主張しているにすぎない。その日本領土を日本側がどう扱おうが、日本の国家主権の行使の範囲内である。 日本国の代表たる中国大使が中国の反発を恐れて、「深刻な危機をもたらす」から東京都による主権の行使をするなと対外的に反対を述べるというのは、あ